法話の窓

001 おそうじ

 こころ豊かな生活をすごすには、どうしたらよいのでしょう。

 その一つの方法におそうじがあります。いつも身のまわりをきれいにしておくことです。それを仏教では作務(さむ)といいます。


●捨てられた空き缶の気持ち
 たとえばあなたが遊園地へ行ったとき、ゴミがおちていていやだな、と感じたことはありませんでしたか。遠足に行ったとき、お弁当の空き箱やジュースの空き缶が、道のわきにすてられているのを、見たことがありませんか。それひとつでいやな気持ちになってしまいます。

 それはなぜでしょうか?

 お弁当やジュースを食べると、おなかはいっぱいになりますね。反対に、道のわきに捨てられたからっぽのお弁当の箱やジュースの空き缶のなかは「自分さえよければ関係ないね」といういやな気持ちでいっぱいですよ。それを見た人たちは、その気持ちを感じてしまうので、楽しいことも、ちょっとだけつまらない気持ちに変わってしまいます。


●整理(せいり)・整頓(せいとん)は心のおそうじ 
 机の上だってそうです。机の上や勉強部屋など、自分のまわりをいつもきれいにしていると、気持ちがよくなります。反対に、あまり掃除もしないで部屋を散らかしていると、何となく落ち着かないし、いやな気持ちになります。
 自分のまわりだけではなく、お家や学校もきれいに掃除をしておくことが、大切なことです。それは自分の心の中を掃除していることなるのです。そして、掃除用具も使ったら、きちんともとのところへもどし、整理、整頓をしておくこと。それは次に使う人が気持ちよく使えるからだけでなく、自分の心の中を整理、整頓をしているのです。

 心のなかの鏡、それを仏教では「仏心」(ぶっしん)といいますが、自分の心の中を整理、整頓できる人の心はいつも輝いていて、とても豊かです。

五葉光鐵

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