法話の窓

031 「おかげさま」を感じながら

 皆さんは、誰のおかげで、今、この世の中に存在するのでしょう。それは、皆さんそれぞれに、お父さん、お母さんがいてくれたおかげですね。そして今もきっと、お父さん、お母さんに色々と助けてもらいながら、生活していることでしょう。皆さんが成長して大きくなってくると、大抵のことは、自分の力でできるようになります。でも、誰のおかげでここまで大きくなれたのかを、決して忘れてはいけません。

 そして、お父さん、お母さんがいるのは、それぞれに、お父さんとお母さん、つまり皆さんから言えば、おじいさん、おばあさんがいてくれたおかげです。更に、おじいさん、おばあさんがいるのは、そのまたお父さん、お母さんがいてくれたおかげです。こう考えると、皆さん一人一人の命は、とても多くの人がいてくれたおかげで、今あるのだということがわかると思います。

 人だけではありません。私たちが生きていくためには、たくさんの物を食べ、たくさんの物を使っていかなくてはなりません。色々なものの存在が無くては、この世で生きていくことはできないのです。

 その「おかげ」を忘れなければ、他の人を傷付けることをしたり、言ったりすることはできませんし、物を粗末にすることもできないと思います。色々なものに支えられ、助けられている「おかげさま」を感じながら生活できれば、一日一日が、とてもありがたいものになるでしょう。

 時は三月。お彼岸の季節です。気候も暖かくなり、花々も咲き始める絶好のこの季節にお墓参りをすることを、和尚さんたちは皆さんに勧めています。まずは身近なご先祖さまの「おかげさま」に感謝するために、お父さん、お母さんたちと一緒にお墓参りをして、手を合わせましょう。

木村浩章

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